その他:結納って何?

  結納返し って何?


  結納返し は、結納を贈られた 返礼 として、女性側 から 男性側 へ贈る結納品です。  結納 は 赤色 の紙で包むのに対し、結納返し は 青緑色 または 緑色 の紙で包みます。
  養子の場合は、男女の立場が逆になるので、男性側から女性側へ 結納返し(赤色) を贈ります。

  なお 実際の あいさつの口上 では、「返す」 という言葉を避けるため、「結納返し」 と言わず、「御引出結納(おひきでゆいのう)」 と言います。


  「結納」 と 「結納返し」 を 両家で取り交わす ことで、はじめて 「婚約」 が正式に成立します。
  結納返し を 行わない風習の地域(近畿・中国・四国地方の一部) では、結納の際に、女性側は必ず 「受書」 を用意し、男性側へ渡します。  これによって結納の取り交わしが成立し  婚約したことになります。
 : 受書(うけしょ)
  受書 は結納の受領証です。
  白木台受書を載せたもの、受書・熨斗(のし)・末廣(すえひろ)がセットになったもの等があります。
  結納のあいさつの際、女性側から男性側へ、白木台ごと手渡します
  関西式九州式の結納を用いる地域と、結納返しを行わない風習の地域(近畿・中国・四国地方の一部)では、必ず準備します。


  両家で結納について打ち合わせをするときに、絶対に 男性側 から 「結納返しは要りません」 と言ってはいけません。
  結納返しをどのように行うか(行う・行わない も含めて)は、 女性側 が 決めることです。  男性側 は口を出さず、女性側にお任せしましょう。

  もしも 男性側 が、女性側から「結納返しはどうしましょうか?」と聞かれた場合は、「おまかせします」と答えるのが無難です。

  結納返し は、結納と同時 に行うか、または、結納を頂いてから 日を改めて 行います。  どちらか行いやすい方法を、女性側が選びます。

  女性側は、結納返しの内容など細かいことは男性側へ相談せず、あらかじめ「同時返しで行います」と伝えるか、 または 結納当日の会食の席で 「結納返しを持っていきますので、●月●日か、●月●日でいかがですか?」と、日にちの確認だけをすれば、スムーズに予定を立てられます。
  結納返しの予定が決まったら、男性側は、お茶・干菓子 や 結納引き出物 など、結納返しを受ける準備をし、必要に応じて料亭などに会食の予約をします。

  たとえ 女性側の手間を省く好意のつもり だとしても、男性側から「結納返しは要りません」と言う のは、「嫁はもらうが、親戚付き合いはしない」という意味になってしまうので、くれぐれもご注意ください。


  〔 結納返し の 準備 〕

  結納返し の準備 は、それほどむつかしくありません。  次のような きまりごと に従って準備します。

  • 頂いた結納よりも 小さめ か 同程度 のものを用意する  ( 関東式結納の場合は、結納と同規模のものを用意します)。
     同時返し の場合は、結納の大きさや品数が分らない場合が多いので、あらかじめ 小さく簡略 な 結納返し を用意します。
     
  • 結納金お返しは、基本的には、関東地方半額それ以外の地域では一割を返します。
     (関東地方以外でも半額を返す風習の場合がありますが、不明な場合は一割で構いません)
     
  • 基本的に、結納で頂いた お金(結納金) に対しては お金 を、  記念品 に対しては 記念品 を返します。
     なお、記念品 は 冠婚葬祭 に使うもの が良いです (世帯主として使っていただくため)。  真珠のタイピンセット が最もふさわしく、スーツ、時計、印鑑 もよく用いられます。
     
  • 結納返しの一品として、できるだけ 御先祖、御両親 への 「土産品」 を付け足します。
     結納に「土産品」が無かった場合でも、少なくとも一品は付けると良いです。
      結納返し は、全体を小さく することで 「謙虚さ」 を表わし、家族への土産品を付け足す ことで 「嫁ぎ先家族への挨拶の気持ち」 を表します。
     
  • 男性側 と 女性側 で 地域が異なる (結納の風習が異なる) 場合は、結納 は 男性側 の風習で用意し、結納返し は 女性側 の風習で用意します。
     その上で、事前に結納店でたずねて、相手側の地域風習について何か分かったことがあれば、できる範囲で付け足します。
     特に 女性側は、地域の風習上どうしても持ってきてほしいものや、独特の挨拶の手順がある場合は、あらかじめ相手側にお願いしておいた方がスムーズです。

  〔 色替え について 〕

 中部地方 では、 「頂いた結納 を 青い紙で包み替えて 結納返し として持って行く」 という、「色替え」 の風習があります。
 ときどき 「 結納返し は 必ず 色替え で行う 」 と考えている方が見受けられますが、「色替え」 は、名古屋地域 独特 の風習です。
 名古屋地域 以外 の結納では 「色替え」 は行いませんのでご注意ください。

 「色替え」は、手間がかかるため、百貨店や、取り寄せ品のみの結納店では対応して頂けない場合があります。
 「色替え」ご希望の方は、ぜひ当店へお申し付けください。

 なお、小型・簡略 な結納の場合は、「色替え」 よりも、結納返し を 新たに購入するほうが 安価 になります。
 頂いた結納品をご持参いただくか、結納の写真を持参して頂ければ、費用を見積もり致しますので、その上で 「色替え」 か 「新たに購入」 かを ご検討下さい。

結納返し(五品飾り)の例
  1. 目録(もくろく)
  2. 熨斗(のし)
  3. 末広(すえひろ)
  4. 御袴料(おはかまりょう)
  5. 御酒料(おさかりょう)
  6. 友白髪(ともしらが)
  7. ご先祖・ご両親への土産品  
 : 省略する場合もあります。
結納返し(三品飾り)の例
  1. 熨斗(のし)
  2. 御袴料(おはかまりょう)
  3. 末広(すえひろ)
結納金のお返しのみの例です。