なぜ「結納」をするか?

「結納」は 「婚約の儀式」 です。
そして、結婚までの行事の中で、 唯一の 「親同士が正式に挨拶をする儀式」 です。
両家が正式な挨拶をして、男性側から女性側へ「結納の品」を贈り、返礼として女性側から男性側へ「結納返しの品」を贈ります。
お互いに結納品を受け取ることが「婚約の承諾」となり、正式に婚約が成立します。
結婚の儀式は、 「結納」 ・ 「結婚式」 ・ 「披露宴」 の3つから成ります。
- 「結 納」・・・新郎家へ嫁いで頂き、両家が親戚になることを、「新婦側へ正式にお願いし、承諾をいただく儀式」
- 「結婚式」・・・神前や人前などで新郎新婦が誓い合うことで「結婚を成立させる儀式」
- 「披露宴」・・・結婚したことを親族や友人に披露して、喜びを分かち合う「宴(うたげ)」
3つの儀式の中で、相手に挨拶をするのが目的の儀式は「結納」しかありません。
また、「結婚式」と「披露宴」は新郎・新婦が主役ですが、「結納」だけは、両親(特に父親)が主役です。
あいさつの口上は父親が述べます。 結納を準備するのは、両親の役目です。

新郎・新婦にはまだ未経験の、結婚をした人にしかわからない不安や苦労がたくさんあります。
特に、出産や子育ての苦労は、実際に子どもを育てたご両親でなければ分かりません。
また、新婦側のご両親にとっては、娘が嫁いで行く寂しさや心配が、日に日に増していきます。
新婦の苦労や娘を嫁に出す寂しさを理解するご両親だからこそできる「心をこめた挨拶」をするのが「結納」です。

新郎には、家族を守る大きな責任ができます。
「結納」には、慶事の作法に従い、両親が緊張しつつも丁寧に挨拶をすることで、結婚することの責任の重さを息子に示す意味もあります。
そして、「結納」は、親の世帯から独立していく子どものために、親が主役となって行うことのできる最後の儀式でもあります。
新郎・新婦にとっても、人生で一度きりの大きな節目です。
できるだけご両親を中心に家族でよく相談して、自分達の節目にふさわしい記念になる結納を行っていただきたいと思います。

縁起の良いものだけを使い、縁起の良い姿形に飾ることで、「 円満な結婚ができますように 」 「 ともに末永く幸せに暮らせますように 」 という気持ちが込められています。
「結納」の本質は、「相手に金品を贈ること」ではなく、「相手に心をこめて挨拶をすること」です。
単純に「相手が喜ぶ品物、欲しい品物を贈ればよい」というのではありません。
「結納の品」は、地域風習や正式・略式のスタイルなどによって、いろいろな商品があります。
結納品を選ぶときは、「鶴亀松竹梅」の飾りを揃える、品数を奇数にする、など、縁起が良いことを第一に考えて、お選びください。