「結納」って何?
目 次
1. 「正式結納」と「略式結納」の違い
2. 結納品の数え方 〜 「○○品飾り」という呼び方について
3. 結納の種類 〜 関東式、中部・北陸式、関西式、九州式
4. 養子をもらう場合の結納
5. 結納品の図鑑
1. 「正式結納」と「略式結納」の違い
「 正 式 結 納 」

使う品物や並べ方が、それぞれ少しづつ異なるのですが、共通して言えるのは、下記の品物が すべて含まれている のが 「正式結納」 だということです。
正式結納 に含まれるもの
- 鶴・亀・松・竹・梅 の 5種類 の水引飾り
- 目録(もくろく)
- 熨斗(のし)
- 末廣(すえひろ) ・・・ 扇子一対(二本)
- 小袖料(こそでりょう) ・・・ 百万円など 大きい金額 を入れる、 いわゆる 結納金。
「帯地料(おびじりょう)」 「御帯料(おんおびりょう)」 など地域によって呼び名が異なる。 - 家内喜多留(やなぎだる) ・・・ お酒 (現物の代わりにお金を入れる場合が多い)
一般的には「小袖料」 と 「家内喜多留」 の2つを合わせて 「結納金」という。 - 寿留女(するめ) ・・・ 乾物のスルメ ※
- 志良賀(しらが) ・・・ 麻の繊維 ( 関西式 では使わない )
- 昆布 ・・・ 乾物のコンブ ※
- 勝男節(かつおぶし) ・・・ 亀節(背と腹に分けてない枯節)を使う。
結納返し で使われることが多く、結納 で使われるのは関東式 と 関西式 のみ。 ※ - その他、地域ごとの必需品 ・・・ 例えば、関西式 は 「高砂人形」、 九州式 は 「お茶」 を必ず付けます。
※ : するめ ・ こんぶ ・ かつおぶし
関東式 の 結納 では 現物 の代わりに お金 を入れる場合が多いです。
関東式以外 では、現物 を用います。
関東式以外 では、現物 を用います。
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目録(もくろく) | 熨斗(のし) | 末廣(すえひろ) | 結納金・家内喜多留 |
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するめ | しらが(麻) | 昆布 | その他、地域ごとの必需品 |
どの品物にどの水引飾りを付けるかという組み合わせ方、結納の並べ方 は 地域ごとに決まりがあります。
また、結納品の大きさや包み方などのデザインは、結納店によって異なります。
なお、「指輪」は、江戸時代からの伝統的な結納品には無かったものなので、「指輪」の有無は正式・略式には関係ありません。
また、結納品の大きさや包み方などのデザインは、結納店によって異なります。
なお、「指輪」は、江戸時代からの伝統的な結納品には無かったものなので、「指輪」の有無は正式・略式には関係ありません。
「 略 式 結 納 」

「正式結納」 から 品物をいくつか省略 したのが、「略式結納」 です。
一般的な「略式結納」では、 「するめ」 「昆布」 などを省略し、品数を五品〜七品にします。
水引飾りを小さくして、一台〜三台の結納台 にのせて、コンパクトに飾ります。
そこからさらに略式にする場合は、しらが(麻)、末廣(すえひろ)、目録 などを省きます。
最も 略式 なものは 三品 になります。
2. 結納品の数え方 〜 「○○品飾り」という呼び方について
結納品を説明するときに、よく 「九品飾り」 「七品飾り」 「五品飾り」 などの呼び方をします。
実は、この 「○○品飾り」 と言う呼び方は、品数を正確に数えたものではありません。
結納品には 以下のような、 「品数に含めないもの」 「品数に含めなくてもよいもの」 がいくつかあります。
「品数に含めないもの」 (普通は数に含めない)
「品数に含めなくてもよいもの」 (場合によって数えないことがある)
結納や結婚では、偶数は分れるので縁起が良くない ため、数に関するものは必ず奇数にします。
「〇〇品飾り」という呼び方は、上記の品物を都合よく解釈して、必ず奇数になるように数えます。
したがって、結納品を購入するときに、厳密な品数を気にするのは、まったく意味がありません。
一般的に、結納店 で 「○○品飾り」 と言うと、次のような意味になります。
事前に結納の内容を女性側に伝える場合
本来は、結納の内容を 事前に女性側へ伝える必要はありませんが、女性側が結納返しを購入する結納店によっては、結納の内容について聞かれる場合がります。
その場合は、次のような点を伝えて頂けると、お店側が結納の内容を把握し易いです。
(ご注意) 結納品の数え方、および「必ず奇数」というルールは、結納店によってはあまり厳密に守られていない場合があります。
実は、この 「○○品飾り」 と言う呼び方は、品数を正確に数えたものではありません。
結納品には 以下のような、 「品数に含めないもの」 「品数に含めなくてもよいもの」 がいくつかあります。
「品数に含めないもの」 (普通は数に含めない)
- 先祖や両親など、家族への品物・・・新婦本人への贈り物ではないので品数に含めない。
「品数に含めなくてもよいもの」 (場合によって数えないことがある)
- 目録・・・結納全体の明細書であり、結納の「贈り物」ではないので数えなくてもよい。
- 指輪・・・昔からの伝統的な結納品には無かった物なので数えなくてもよい。ネックレスなども同じ扱い
- お酒・・・「家内喜多留(やなぎだる)」の金封とは別にお酒を付ける場合は、数えない。
結納や結婚では、偶数は分れるので縁起が良くない ため、数に関するものは必ず奇数にします。
「〇〇品飾り」という呼び方は、上記の品物を都合よく解釈して、必ず奇数になるように数えます。
したがって、結納品を購入するときに、厳密な品数を気にするのは、まったく意味がありません。
一般的に、結納店 で 「○○品飾り」 と言うと、次のような意味になります。
- 「九品飾り」・・・正式結納で 9品以上 の品数のもの。
- 「七品飾り」・・・正式結納で 7〜8品 のもの、または、7品以上の 略式結納。
- 「五品飾り」・・・五品以上の略式結納 (結納品の内容によって、7品あっても「五品飾り」と呼ぶことがあります)
事前に結納の内容を女性側に伝える場合
本来は、結納の内容を 事前に女性側へ伝える必要はありませんが、女性側が結納返しを購入する結納店によっては、結納の内容について聞かれる場合がります。
その場合は、次のような点を伝えて頂けると、お店側が結納の内容を把握し易いです。
- 全体の品数(だいたいの数で構いません)
- 結納金の金封の数
- 目録の有無
- するめ・昆布・かつお節 の有無
- 指輪の有無
(ご注意) 結納品の数え方、および「必ず奇数」というルールは、結納店によってはあまり厳密に守られていない場合があります。
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九品飾り (中部地方) の例 高砂人形などを追加する場合は、@目録を数に含めず九品とみなします。 結納台 の数も奇数にします。 |
七品飾り (中部地方) の例 @目録 を数えず、七品とみなします。 結納台の数が奇数になるよう、九品飾りと変えています。 |
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五品飾り (中部地方) の例 @目録 を数えず、五品とみなします。 |
三品飾りの例 結納金だけ、指輪だけ の組み合わせもできます。 |
3. 結納の種類 〜 関東式、中部・北陸式、関西式、九州式
結納は、結納品の内容や しきたり の違いから、大まかに次の4種類に分類できます。
全国各地の結納は、結納の儀式が各地に伝わった経路と、各地の風習との混合によって、4種類のいずれかにアレンジが加わった形になっています。
全国各地の結納は、結納の儀式が各地に伝わった経路と、各地の風習との混合によって、4種類のいずれかにアレンジが加わった形になっています。
「 関東式 」
関東式 の結納の特徴は、
略式結納 にする場合は、かつお節・するめ・昆布 を省略する場合が多いです。
もともと 結納が小さい ので、中部・北陸式、関西式、九州式 の結納を持参する場合は、その地域の 略式結納 で十分な大きさになります。 正式結納 を持参すると 大きすぎる のでご注意ください。
- するめ・昆布 とともに かつお節 を付ける。(現物の代わりにお金を入れる場合もある)
- 結納金 は 「御帯料(または、小袖料)」 「家内喜多留」 の2つ。 略式結納 では 「家内喜多留」 を省く ことが多い。
- 結納品一つ一つが小さく、水引飾りも小さい。 見た目が質素で簡略。
- 1〜3台の結納台の上に、結納品を 一列に並べて 飾る。
- 結納返し は、結納金の 半額 を返す。
略式結納 にする場合は、かつお節・するめ・昆布 を省略する場合が多いです。
もともと 結納が小さい ので、中部・北陸式、関西式、九州式 の結納を持参する場合は、その地域の 略式結納 で十分な大きさになります。 正式結納 を持参すると 大きすぎる のでご注意ください。
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関東式 正式結納の例 (九品飾りの例)
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関東式 略式結納の例 (五品飾りの例)
もともと小型の結納のため、「正式結納」と「略式結納」で、水引飾り の 大きさ の 違い は ほとんど ありません。 |
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「 中部・北陸式 」
中部・北陸式 の結納の特徴は、
- 結納に かつお節 を付けない。
- 結納金 は 「小袖料」 「家内喜多留」 の2つ。 略式結納 でも結納金は省略せず、必ず2つにする。
また、「小袖料」 「家内喜多留」 の金封に それぞれ 鶴 と 亀 の水引飾りを付ける。※ - 「きめ酒」※ という風習があり、結納の前に新婦側へお酒を贈る、または、「家内喜多留(やなぎだる)」とは別に現物のお酒を結納に付けます。
- 両親 や 先祖 など 家族への品物 を付ける。 これを 「お土産(おみやげ)」 という。
「お土産」 は これから親戚同士となる相手家族への挨拶 を表し、とくに 結納返し では必需品 です。
結納 に家族への 「お土産品」 が付いていなくても、結納返し では少なくとも必ず一品は付けます。 - 高砂人形 を付けることが多い。(結納の記念として永く飾る品として)
- 結納返し は必ず行い、「小袖料」 の 1割 と 「家内喜多留」 の 半額 を返す。
※ : 「小袖料」 「家内喜多留」
「小袖料」 「家内喜多留」 の金封に 鶴 と 亀 の水引飾りを付けるのは、中部・北陸式 の 独特 の形です。
関東式、関西式、九州式では、熨斗に鶴、末廣に亀 を付けますが、中部・北陸式 だけが異なります。
一般的に、鶴・亀 の飾りをつける品物 は 結納の配置デザイン上の中心 となるので、五品飾りなどの略式結納にする場合でも省略せず残します。
関東式、関西式、九州式 では、略式結納でも「熨斗」「末廣」を省略しないのに対し、中部・北陸式の結納では 「小袖料」 「家内喜多留」 を省略しません。結納金は必ず2つ(地域によっては3つ)となります。
関東式、関西式、九州式では、熨斗に鶴、末廣に亀 を付けますが、中部・北陸式 だけが異なります。
一般的に、鶴・亀 の飾りをつける品物 は 結納の配置デザイン上の中心 となるので、五品飾りなどの略式結納にする場合でも省略せず残します。
関東式、関西式、九州式 では、略式結納でも「熨斗」「末廣」を省略しないのに対し、中部・北陸式の結納では 「小袖料」 「家内喜多留」 を省略しません。結納金は必ず2つ(地域によっては3つ)となります。
※ : きめ酒
もともとは、結納の日取りを決めるため、仲人が新婦宅へ行き、その時にお酒(正式にはお酒と酒肴料)を持参する風習です。地域によっては「縁談に水をささない」ように、酒瓶を空にして水を詰めたり、徳利を転がす風習もあります。
現在でも、結納の前に顔合わせ等で両家が合う場合に、新郎側から新婦側へお酒(結納と同じく水引をかけたもの)を贈るのが正式です。お酒を贈らなかった場合は、結納にお酒を付けます。お酒は角樽(つのだる)が一般的ですが、一升瓶に飾りをつけた「つぼ酒」を使う地方(愛知県知多半島)もあります。
現在でも、結納の前に顔合わせ等で両家が合う場合に、新郎側から新婦側へお酒(結納と同じく水引をかけたもの)を贈るのが正式です。お酒を贈らなかった場合は、結納にお酒を付けます。お酒は角樽(つのだる)が一般的ですが、一升瓶に飾りをつけた「つぼ酒」を使う地方(愛知県知多半島)もあります。
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中部・北陸式 正式結納の例 (九品飾りの例)
9品より数が多い場合は、いくつかの品物を数に含めず、九品とみなします。写真の例では、@目録、I先祖、J角樽 を数に含めません。 |
中部・北陸式 略式結納の例 (七品飾りの例)
C小袖料、D家内喜多留 は、結納の中心であり、省略しません。 上の写真では、Gつぼ酒 を数に含めず、七品飾りとみなします。 ※ : G つぼ酒 愛知県知多半島の独特の風習です。一升瓶 にそのまま水引をかけて飾ります。 「 一生連れ添うように 」 との意味があります。 |
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「 関西式 」

- かつお節 がお金に代わった 「松魚料(まつおりょう)」 をつける。
- 結納金 は 「小袖料」 「家内喜多留」 「松魚料」 の3つ。 「家内喜多留」 は 現物(お酒) を飾る場合もある。
- 「熨斗(のし)」、「末廣(すえひろ)」、「高砂人形」 が 結納の中心となるため、必ずつける。 略式結納 でも 必ずつける。
- 鶴・亀・松・竹・梅の 水引飾り は、大きいものが好まれる。
- 広蓋盆(ひろぶたぼん)※ を用いる地域が多いため、 目録 と 結納金 は他の結納品と一緒に飾らず、 別の 白木台 に置く。
- 女性側は 受書(うけしょ)※ を必ず用意する。
- 結納返し を行わない地域がある(近畿・中国・四国地方の一部)。結納返しを行わない場合は、その場で結納金の一割を返す。
※ : 広蓋盆(ひろぶたぼん)、受書(うけしょ)

広蓋盆 は、結納のたびに購入するのではなく、その家の慶事道具として代々受け継いで使います。
広蓋盆に目録と結納金を 白木台ごと のせ、袱紗をかぶせ、結納の儀式の中で、男性側から女性側へ手渡します。
女性側は、目録と結納金を受け取り、代わりに受書(うけしょ)を広蓋盆にのせ、袱紗を裏返してかぶせ、男性側へ手渡します。
簡略に行う場合は、白木台だけ で手渡しします。
広蓋盆を用いる結納の儀式は、関西・近畿地方を中心に、西日本や北陸地方で行われており、公家文化を発祥とする最も丁寧な結納の行い方です。
手渡し の場面がある結納の行い方は、広蓋盆を用いた作法(または、白木台で代用した作法)しかありません。
結婚情報雑誌や一部のハウツー本、インターネット等で、「男性側が 略式の結納セットを台ごと持ち上げ、相手に手渡しする」手順が紹介されている例がありますが、これは、創作されたものであり、正しい手順ではありませんのでご注意ください。
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関西式 正式結納の例 (九品飾りの例)
GHIの金封 は、@目録 に重ねて白木台にのせます。 現物のお酒を飾る場合は、H家内喜多留の金封はありません。 |
関西式 略式結納の例 (五品飾りの例)
水引飾り は、略式結納であっても、やや大き目で目立つものを用います。 |
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「 九州式 」

- 結納に かつお節 を付けない。
- お茶に水引飾りをつけた「御知家(おちゃ)」を付ける。九州式独特の風習です。※
- 「寿美酒(すみざけ)」※ といい、中部・北陸式の「きめ酒」と似た風習があり、結納の前に新婦側へお酒を贈ります。「家内喜多留(やなぎだる)」のお酒で兼用とする場合もあります。
「家慶鯛(かけだい)」といい、現物の鯛を付ける場合もあります。 - 「家内喜多留」(やなぎだる)として 現物のお酒 を 一対(2本) 付ける。
略式結納では現物の代わりにお金を入れる場合もありますが、「寿美酒(すみざけ)」の風習があるので、現物のお酒を付ける方が好まれる。 - 結納金 は 「小袖料」 1つ。 お酒の代わりにお金を入れる場合は 「小袖料」 と 「家内喜多留」 の2つになる。
- 「高砂人形」 を付ける場合が多い。
- 鶴・亀・松・竹・梅の 水引飾り は、大きいものが好まれる。
- 結納の儀式では、 目録を手渡しする。 目録 は他の結納品と一緒に飾らず、 別の 白木台 に置く。※
- 女性側は 受書(うけしょ)※ を必ず用意する。
- 結納返し は、結納金の一割を返す。
※ : 御知家(おちゃ)

「お茶の木は一度植えると植替えができない」「安いお茶は二度と出ない」ことから、「嫁が婚家に居つくように」、また、「両家が気軽にお茶を飲める親しい間柄になるように」 との意味があります。
※ : 寿美酒(すみざけ)
もともとは、結納の日取りを決めるため、仲人が新婦宅へ行き、その時にお酒を持参する風習です。正式には 酒一升と鯛一匹 で、一生一代(一升一鯛)という縁起をかついでいます。
寿美酒 をしなかった場合は、結納の 「家内喜多留」 のお酒で 寿美酒も兼ねます。
お酒は、角樽(つのだる)」 か、一升瓶に飾りをつけたもの にします。
寿美酒 をしなかった場合は、結納の 「家内喜多留」 のお酒で 寿美酒も兼ねます。
お酒は、角樽(つのだる)」 か、一升瓶に飾りをつけたもの にします。
※ : 目録の手渡し、受書
結納のセットになっている 塗台 または 白木台 に 目録 をのせ、袱紗(ふくさ) をかぶせ、結納の儀式の中で、男性側から女性側へ手渡します。
女性側は、目録を開いて確認した後、別の白木台にのせた 受書 を男性側へ手渡します。
広蓋盆を用いない点と、結納金は飾ったままで 目録だけを手渡しする点が、関西式と異なります。
女性側は、目録を開いて確認した後、別の白木台にのせた 受書 を男性側へ手渡します。
広蓋盆を用いない点と、結納金は飾ったままで 目録だけを手渡しする点が、関西式と異なります。
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九州式 正式結納の例 (九品飾りの例)
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九州式 略式結納の例 (五品飾りの例)
略式結納 は、関西式とよく似た形になります。 「御知家(おちゃ)」 「高砂人形」 を省略する場合もあります。 |
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4. 養子をもらう場合の結納
養子をもらう場合は、女性側から男性側へ 結納 を贈り、男性側から女性側へ 結納返し を贈ります。
男性 へ送るものを 「青」、 女性 へ送るものを 「赤」 で包むきまりなので、結納 が 「青」、結納返し が 「赤」になります。 普通の 結納・結納返し と色の使い方が逆になります。
世帯主になっていただく男性を迎え入れる事なので、結納金 は、普通の結納の場合よりも 多め に用意します。
金額の決まりはありませんが、100万、130万、150万、200万などです。
結納飾り も、あまり略式にせず、最低でも五品飾り、できれば 七品飾り または 九品飾り を用意します。
男性 へ送るものを 「青」、 女性 へ送るものを 「赤」 で包むきまりなので、結納 が 「青」、結納返し が 「赤」になります。 普通の 結納・結納返し と色の使い方が逆になります。
世帯主になっていただく男性を迎え入れる事なので、結納金 は、普通の結納の場合よりも 多め に用意します。
金額の決まりはありませんが、100万、130万、150万、200万などです。
結納飾り も、あまり略式にせず、最低でも五品飾り、できれば 七品飾り または 九品飾り を用意します。
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養子の場合の 結納 (五品飾り)の例
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養子の場合の 結納返し (五品飾り)の例
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5. 結納品 の 図鑑
結納に使う一つ一つの品物の説明です。 ( 画像 はクリックすると拡大できます )
No. | 名称 | 説明 | 画像 |
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1 | 目録 (もくろく) |
結納品の明細書です。 熨斗、末廣・・・など一つ一つの結納品と結納金の金額が書かれています。 文末に結納を行った日付(〇月吉日)と両家の名字(山田家、鈴木家など)を書きます。新郎新婦のフルネームを書く地域もあります。 結納終了後は目録を保管しておくと よい記念になります。 |
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2 | 熨斗 (のし) |
慶事の贈り物の シンボル です。 「熨斗」を付けることで 「これは正式な慶事の贈り物です」 という意味になります。 本来はアワビを干して伸ばした(熨した)もので、「永く熨す」ことから長寿延命の意味があります。 冷蔵庫の無い時代は保存食が大変貴重であり、また、生臭もの(魚介類)や光るもの(アワビの殻など)には魔除けの意味もあるため、高価な乾物である熨しアワビは慶事の最高級の贈り物でした。現在は、樹脂製で、慶事の贈り物を表す飾り物となっています。 |
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3 | 末廣 (すえひろ) |
一対(二本)の白扇(白い扇子)です。 扇子は、先に行くほど広がるめでたいものとして、末永く幸せに繁栄する意味があります。 白扇は純白な気持ちを表わし、一対(二本)を贈ることで「夫婦が睦まじく暮らせるように」との願いが込められています。 |
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4 | 小袖料 (こそでりょう) |
いわゆる「結納金」です。 本来は婚礼衣装(小袖)の生地や帯地を贈ったので 「小袖料」 と書きます。 「御帯料」 や 「帯地料」 と書く地域もあります。 結納金の金額は、奇数 で キリの良い数字 なら幾らでもかまいません。100万、70万、50万、30万がよく用いられます。 必ず新札を用い、100万の場合は帯封を付けたまま収めます。 |
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5 | 家内喜多留 (やなぎだる) |
本来は 柳の樽酒 を贈ったものがお金に代わり、小袖料の一割(または、一割以下の奇数)を入れます。 中部・北陸式 の結納では、「小袖料」 と 「家内喜多留」 の 2つ を揃えて 「結納金」 といいます。 関西式 や 九州式 の結納では、お金 ではなく 実物のお酒(樽酒または一升瓶) を飾る場合もあります。 |
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6 | 寿留女 (するめ) |
乾物のスルメです。 「生臭もの」として魔よけの意味があり、神事の供え物として用いられることから縁起が良く、また、長く保存できることから「結婚生活が永遠不変である」ことを象徴します。 噛めば噛むほど味が出ることから、年を取るごとに味わいが増すような仲睦まじい夫婦になるようにとの意味もあります。 関東式 の結納では実物の代わりにお金を包む場合もあります。 |
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7 | 志良賀 (しらが) |
植物の 「麻」 の繊維です。 細く裂いていない最高級のものを使います。 神仏が天上より「麻の草木」を伝って地上に降り立たれたという云われがあり、「麻」は古来より神聖なものであり、魔除けとして用いられます。 生育が早く、大きく根を張るこから、商売繁盛や子孫繁栄の意味があります。 また、麻の繊維が白く長く丈夫なことから、共に白髪になるまで仲良く健康な夫婦でありますようにとの意味があります。 |
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8 | 子産婦 (こんぶ) |
乾物の昆布です。 昆布は「よろこぶ」の語呂に通じ、広く長いことから縁起が良い贈り物です。「生臭もの」として魔よけの意味があり、神事の供え物としても用いられます。 繁殖力が旺盛な植物であることから、丈夫な子供に恵まれ、幸せな家庭を築けますようにとの意味があります。 |
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9 | 優美和 (ゆびわ) または、 本人への記念品 |
婚約指輪 です。 指輪以外の品物を記念品にする場合は、真珠のネックレス ・ 寿数(じゅず) ・ 印鑑 などを贈るのが良いです。 品物が見えるように、ケースを開けて飾るのが正式です。 指輪に鑑定書が付属するときは、鑑定書を、閉じたまま指輪の手前か隣に並べます。 |
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10 | ご先祖・ご両親への土産品 | 相手の家族に対して、これから 最も近い親戚 となる挨拶の意味です。 特に、結納返し では、嫁ぎ先の家族への挨拶の意味があり重要な品物です。 丁寧に行なう場合は、ご兄弟姉妹などへも土産品を用意しますが、一品だけ付ける場合は、ご先祖様(線香)または両親様(傘、財布、ベルト、カバンなど)を用意します。 中部地方の結納(特に結納返し) では必需品です。 |
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11 | 清酒@ 「角樽」 (つのだる) |
結納でお酒を飾る場合に用います。1つだけ飾る場合と、一対(2つ)飾る場合があります。 一升瓶をそのまま入れられる組み立て式の角樽が便利です。 結納の一品 「家内喜多留(やなぎだる)」 として、または、中部・北陸地方 の 「決め酒」 や 九州地方 の 「寿美酒(すみさけ)」 など 結納の前段階 (結納の日取りを決めるため仲人や両親のみで出向く) としてお酒を贈る風習で用います。 特に、関西地方 の結納でお酒を飾る場合は、一升瓶ではなく「角樽」を用いるのが一般的です。 |
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11 | 清酒A 「つぼ酒」 |
一升瓶 に水引飾りをつけたもので、「一生連れ添う」という意味があります。 結納の一品として、または、結納の前段階 (結納の日取りを決めるため仲人や両親のみで出向く)としてお酒を贈る風習で用います。 特に、愛知県 の 知多半島と周辺地域 では、「つぼ酒」といい、よく用います。 九州地方 や 北海道地方 の結納でも、一升瓶に飾りを付けたものをよく用います。 |
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12 | 勝男武士(かつおぶし) または 松魚料 (まつおりょう) |
乾物のかつお節です。 背と腹が分れていない「亀節」を使うのが正式です。 実物の代わりに お金 を入れる場合は、「松魚料」 と書いた金封を用います。 関東式の結納では、実物のかつお節を使う場合と「松魚料」の金封を使う場合があります。関西式の結納では実物は用いず、「松魚料」の金封を使います。 中部・北陸式の結納や、九州式の結納では、もともと結納にかつお節を飾らないので、実物のかつお節も「松魚料」金封も使いません。 三重県南部では、小袖料の一割を、三分の二を家内喜多留へ、三分の一を松魚料に分けて入れます。 |
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13 | 御馳走料 (ごちそうりょう) |
食事代です。 結納に「御馳走料」を付けるのは 一部の地域のみ で、本来 女性側で用意するべき料理まで男性側が持参することで 「結納の食事もこちらで用意しますのでどうかお嫁に来てください」 という意味があります。 愛知県の知多半島内では、半田市と知多郡武豊町だけの風習で、御馳走料(ごちそうりょう)として3万円程度を入れた金包みを用います。 |
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14 | 高砂 (たかさご) |
おじいさんとおばあさんの姿をした人形です。 木目込み人形、九谷焼人形、一刀彫人形があり、お好みのものを用います。 「相生(あいおい)の松」という伝説に基づく松の木の精霊で 夫婦円満の象徴 です。 結納終了後も記念品として飾ることができるので、全国的に用いられます。 関西式 と 九州式 の結納では 特によく用いられ、必需品です。 【高砂人形の意味や由来についてはこちらをご参照下さい。】 |
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15 | 宝船 (呉服細工) |
昔 の 中部地方 の結納で最も特徴的な飾り物です。 最近は、着物をあまり着なくなった事と、予算がかかることから、ほとんど用いられなくなりました。 着物の生地などを「宝船」「鯛」「蓬莱山」など縁起の良い形に仕立てたもので、細工を解くと着物の生地や帯紐になり、着物が仕立てられるようになっています。女性側は、婚礼道具の荷入れの際に、荷物を運ぶトラックの荷台の先頭に宝船を飾り付けます。 |
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【 決め酒 (きめざけ) ・ 寿美酒 (すみさけ) 】
中部・北陸地方 では 「決め酒」 、九州地方 では 「寿美酒(すみさけ)」 という風習があります。
結納に先立ち、結納の日取りを決める ため 男性側の 親 や 仲人 が女性宅を訪れる際に、水引飾りを付けた清酒を持参する風習です。
そこで結納の日取りが決まると、その祝いとして、持参した酒を酌み交わします(お酒を飲まない場合は、置いてくるだけでも良いです)。
清酒は、一升瓶 または 角樽 を用います。
愛知県の知多半島と周辺地域では、特に、一升瓶に水引飾りをつけたものをよく用い、「夫婦が一生連れ添うように」との意味があります。
九州地方 の 「寿美酒(すみさけ)」 では、正式には 酒一升と鯛一匹 を持参し、一生一代(一升一鯛)という縁起をかついでいます。
「決め酒」や「寿美酒(すみさけ)」を行なわなかった場合は、結納として飾る清酒に「決め酒」「寿美酒」の意味をもたせます。