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  結納引出物は、結納当日に、結納を持参して来た男性側に対して、女性側が「来ていただいた御礼として」渡す手土産です。
  また、結納返しのときにも、結納返しを持参してきた女性側に対して、男性側が結納引出物を渡します。
  「今日は、来て頂いてありがとうございました」というお礼なので、帰る直前に渡します。
  日常のお礼よりも丁寧に行なう意味で、3品または5品用意します（「奇数」は「分かれない」という意味で縁起が良い数字です）。
  結婚披露宴の終わりで参加者の皆様に渡す引出物と同じ意味とお考え下さい。

  ご遠方同士で丁寧にお礼をしたい場合や格式のある家柄などでは5品用意しますが、一般的には3品で十分です。
  1家族に対して1組の結納引出物を用意しますので、仲人様がある場合は、男性側（ご両親と本人）に対して1組、仲人様（または仲人夫婦）に対して1組、というように準備します。

  「来て頂いたお礼」なので、同時返しの場合は、女性側から男性側へ渡すのみで、男性側から女性側への結納引出物は用意しません。
  ホテルやレストランなどで同時返しの結納を行なう場合でも、本来は女性宅へ来て頂くことなので、女性側から男性側へ渡す結納引出物のみを準備します。

  渡すときは、「両家がひとつに包まれるように」という意味で、1組の結納引出物を風呂敷でひとつに包んで渡します。
  「返る」「戻る」を避けるので、風呂敷だけ返して頂いたりせず、必ず風呂敷ごと受け取って頂きます。
  風呂敷はエンジ色か紫色の無地の風呂敷を用います。


  3品の結納引出物の中身は、以下の通りです。

• 赤飯（縁起物）
• 鰹節または削り節（縁起物）
• 記念品として残るもの、または地元の特産品やお祝い菓子など

  赤飯、鰹節は、縁起物として必ず用意します。
  ただし、赤飯は痛みやすいので、 夏の暑い時期、 ご遠方のため帰るのに時間がかかる場合 には、日持ちのする洋菓子など別のものに代えます。
  結納の食事に赤飯が出る場合にも、重複を避け、赤飯を別の物に代えてもかまいません。

  「記念品として残るもの、または地元の特産品やお祝い菓子など」については、特に品物の決まりはありません。
  「全部食べ物にすると何も残らないので、記念品になるものにする」
  「相手がご遠方の場合は、地元の名産品などが喜ばれる」
  「自分の地域には結婚などのお祝い事に必ず贈るお祝い菓子がある」
  など、良いと思うものを考えて用意すれば結構です。
  紅白饅頭やバウムクーヘンなどお祝いに適した菓子、地元の名産品、器のセットやお盆などをよく用います。
  当店では「丸くおさまるように」の意味を込め、木製漆塗の上質なお盆をおすすめしております。

  なお、5品の場合には、上記に地元の名産品やお祝いのお菓子や記念品などを足して5品にします。
  「結納返し」や「婿養子をもらう結納」の場合にも、上記と同じ考え方で、結納や結納返しを持参する側に対しての結納引出物を用意します。